今、私の家内、そしてわたしは薬の進歩に期待せざるを得ない状況です。というのも家内が肺がんのステージ4と昨年診断され、背骨や骨盤への転移を考えても外科手術は考えられず、薬による治療しかないからです。幸か不幸か肺がんに関しては死亡率が高いことにより、薬の開発も進んでいて、抗がん剤ではなく、家内は今、がん細胞だけを攻撃することが出来る「分子標的薬」であるジオトリフを使用しています。おかげでがん細胞の活動も収まり、転移を防ぐだけではなく、副作用も比較的少ないので日常生活にもそれほど影響はありません。

今出ている副作用くらいですむのであれば、もちろん、ありがたいくらいでずっと付き合っていってもかまわないくらいの気概を家内が持っているくらいですから。しかし、この薬とて一生使えるものではなく、癌細胞に抗体ができれば、次の薬に移行せざるを得ません。こうした分子標的薬の開発がどんどん進み、完治は望めなくとも、日常生活がこのまま送ることがでれたら、どれだけうれしいことか。もちろん、分子標的薬、そして副作用を抑える薬の薬価を考えるとかなり高いですが命、そしてQOLを考えると変えがたいものです。

そして、今話題になっているのが免疫チェック阻害薬のオプジーボです。主治医に聞いてみると実際にその病院でもがん細胞が消えてしまった実例もあるそうです。問題は肺がんの患者にはその効果が見られる比率が非常に低いこと、そしてその判断に時間がかかること。さらに問題なのはその薬価です。1年間で3500万円も費用がかかるということで日本の保険行政を揺るがす規模になってしまうということです。しかし、我が家にはそんなことを考える余裕もありません。可能であれば、この薬にかけてみたいのが正直なところ。日本の保険行政の話も分かりますが身内の命となれば、そんな大局的な考え方にはいたりません。

こうした話も含めて、いかに新たな薬が開発されるのか。とにかくここに家内の命はかかっているといっても過言ではありません。いかに癌の進行をおさえる、または癌細胞を殺す薬が開発されるのか、この医学の進歩に今はかける気持ちでいっぱいです。主治医の先生からも外科での治療よりも、薬による治療になることは既に話に聞いていますのでこれからのことを考えたときも、分子標的薬、免疫チェック阻害薬だけではなく、とにかく新たな薬の開発を望むことにします。

そして、その期待感があるうちは家内も元気でいられるはずです。